本の紹介『松下村塾』(古川薫、講談社学術文庫)

高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋といった時代に大きな名を残した人物たちの共通点、それは現在の山口県下にあった、ごく狭い範囲の人々を対象とした小さな私塾に在籍していたということです。 

 

その小さく粗末な私塾こそが、かの有名な「松下村塾」です。 

 

吉田松陰が塾生に指導した期間は実質わずか1年ほどらしいのですが、なぜこの小さな私塾から、天下を奮発振動させる人物が数多く輩出されたのか。この大きな謎を解き明かそうとするのが本書です。書店でたまたま手に取り、子供の教育の参考にでもなればと思い購入しました。 

 

松陰は塾生に対しても非常に丁寧な言葉遣いをし、塾生と対等に学問に向き合っていたそうです。塾生と一緒に草引きをしながら歴史の口述をしたり、又、塾生ひとりにとことん付き合って長時間の講義を行ったりする松陰の姿が、読後印象に残りました。 

 

また、時代が違うので現在とは単純に比較できないでしょうが、歴史に名を刻んだ高杉晋作や久坂玄瑞の享年がともに20代であることには改めて驚きました。

(2018年9月16日)