開業8年目

行政書士という仕事に就いたことで、少しですが以前とは意識が変わったと感じています。

 

例えば、サラリーマンだった頃は「豆腐なんてどれも変わらないだろう」と一番安い商品を深く考えずに買っていましたが、今はそのような買い方はできるだけしないように心がけています。豆腐の成分表示をよくみると、純粋に大豆とにがりだけで作られたモノもあれば、大豆ではない材料を混ぜてかさ増しされている豆腐まがいの商品もあります。

 

値段だけをみて判断していると、当然かさ増しされたほうが安いので、そちらの商品を買うことになります。しかし、みんながこのように買い物をしていると、一生懸命に豆腐の質にこだわって作っている会社は潰れていき、とりあえず売れれば豆腐の質なんてどうでもいいという考えの会社が生き残ってしまいます。

 

われわれ士業(行政書士や司法書士などはお尻に「士」の字がつくので「士業(しぎょう)」と呼ばれます)も商売であることに変わりはないので、値段だけで選ばれる事になると、仕事の質(丁寧な対応、きめ細やかなアドバイス、豊富な知識や経験など)がいくら良くても「値段が安くない」という理由で仕事が来ず、廃業することになってしまいます(仕事は丁寧で誠実なのに廃業される先生もいらっしゃいます)。

 

遺言書などの相続準備が正しかったかどうかが判明するのは、何年も先の実際に相続が発生した後です。しかしその時になってはじめて、遺言書の内容や準備に不備があったとわかっても後の祭りです。それによって家族の人生が暗転します。

 

法外な報酬を請求するような専門家は論外ですが、値段だけで依頼先を決めてしまうと、将来取り返しのつかないトラブルになってしまう可能性があるのが「相続」です。「信頼できる知人に専門家を紹介してもらう」「この人なら信頼できるという専門家に出会うまでは相談だけで止めておき正式に依頼しない」「質問に対する返答や態度に疑問が残るような専門家は避ける」など、値段以外のポイントもしっかりと考慮して誰に依頼するのかを決めて頂きたいと思います。

(2018年11月20日)